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zoom RSS カシミア ニットを手に入れる - その3

<<   作成日時 : 2007/01/25 10:24   >>

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「するとそれなりのカシミア製品となると,どれくらいの値段設定が妥当になるんでしょう?」

「国産なら 5 万円程度は仕方ないだろうな。海外のファクトリーものなら 10 万円程度は覚悟しないとな。イタリアなんかのブランドものなら 20 万くらいかな。」

「20 万ですか!?」

「今ユーロは 155 円超えてるだろう。それにカシミアはウールに比べて関税が高いからな。税関を通るときに 10 万円近くになっちまうんじゃないか。それを小売りするわけだろう?20 万くらいにはなっちまうだろう。」

「確かにねェ ・・・ エルメスなんて 40 万円超えますもんね。」

「何でカシミアをエルメスで買うんだよ。あそこは革屋だぞ。ニットの自社工場なんてないんだ。みんな外のファクトリーに作らせてんだぞ。それを 40 万も出して買う奴は金が余って余って仕方のない奴か馬鹿もんだよ。同じファクトリーの製品が 10 万円で買える。もちろんデザインはエルメスとは違うがな。まぁ,デザインとブランド名に金の払える奴だけのものだな。俺たち庶民には一切関係ない。」

「ペラフィネもですか?」

「ペラフィネは今はスコットランドの自社工場で作ってるんじゃなかったかな。そこに流れる川 ・・・ 名前なんていったかな ・・・ とにかくそこの川の軟水がカシミアにすごくいいんだそうだ。」

「確かにカシミアと言えばスコットランドですもんね。私はカシミア山羊がスコットランドにいるんだとばかり思ってました。水に秘密があったんですね。」

「そう言うこと。ペラフィネは確かに最高級のカシミアを使っているんだろうが,とてもそれだけでついてる値段とは思えない。エルメスと同じ商売なんだろう。庶民の最高級品じゃない。それに俺はあのデザインが嫌い。もらっても着ない。」

「じゃぁ私にくださいね。」

「もらったらな。誰がいったいそんなもんくれるんだ?」

「確かに全く現実味のない話ですね。じゃぁ先生はどの当たりのメーカーなら許せますか?」

「難しいなぁ ・・・ それほど詳しいわけじゃないからな。特にファクトリーとなるともう全くわからん。スコットランドなんか昔からの小さなファクトリーが随分沢山あるっていうし。この辺のことは全く知らない。だいたい最近カシミアの色々な情勢を知って買う気が失せてるからなぁ。むしろ今はアランセーター ( Aran Sweater ) だ!」

「先生,そうそう脱線しようとしないでくださいよ。」

「アランセーターの方が断然面白い。歴史もありぃの,セーター一つ一つの背景もありぃの,それから ・・・」

「分かりました。明日アランセーターについて講義してください。今日はカシミアです。カシミア。」

「おまえ,カシミア,カシミアって変な奴。」

「私の気分は今カシミアなんですよ。アランじゃ駄目なんです。」

「そうだなぁ ・・・ カシミアと言えば ・・・」

「カシミアと言えば ・・・?」

「分からん,思い浮かばない。」

「先生 ・・・ じゃぁ,先生の持ってるカシミアはどこのメーカーなんですか?」

「俺のか?スコットランド製は持ってなかったような ・・・ イタリアの物ばっかりだな。え〜と,難しい名前ですぐ忘れちまうんだよ。え〜と ・・・ あれ,あれ ・・・ マール?」

「マーロ ( Malo ) でしょう!」

「そう,そう。知ってんじゃないか。それでいいだろう。」

「他にはないんですか?」

「まだなんかあったな。え〜と,イタリアメーカーは名前が難しすぎるんだよ。え〜と,クチネリ?」
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「ブルネロ クチネリ ( Brunello Cucinelli ) ですね。」

「おまえ,よく知ってんじゃない。」

「他には?」

「・・・ クルチアーニ ( Cruciani ) だ!あと数字の書いてある奴。きゅうじゅう ・・・ 9 だったかな? ・・・ 98 か?」

「97 リューデミモザ ( 97 Rue des Mimosas ) でしょう。すごいもの持ってますね。」

「あとHermèsと同じファクトリーの物があったな。でもマールは持ってない。」

「マーロですよ。でも最初に言ってたじゃないですか。」

「持ってないもんは持ってない。名前が単純だから思い出したんだ。」

「まちがってましたけどね。じゃぁブルネロ クチネリはもってるんでしょ。」

「持ってるよ。クルチアーニもな。そう,クルチアーニは自分で買ったんだった。」

「庶民は買うなって言っておきながら,クルチアーニを買ったんですかっ!」

「おぅ,オガハウスの御主人にそそのかされた。」

「そそのかされたってのはどういうことです?」

「クルチアーニは 2 年ほど前からセカンドラインを作りだしたんだよ。名前はクルチアーニだが,ファーストラインに比べるとかなり安くなってる奴だな。日本の商社が入ると大体どこでもセカンドラインを作ることになるらしい。日本じゃ品物の品質を判断して買うって言うより,ブランド名で買うって傾向が強いだろう?それで商社がな,日本ではここまで高級にしなくても売れるし,セカンドラインを作った方がみんなが買うから儲かるとか言って入れ知恵するらしい。」

「馬鹿にされてるわけですか?」

「別にクルチアーニが馬鹿にしてるわけじゃないんだろうが,輸入元がセカンドラインを作ってくれって頼むし,それでいいって言うんだから,そうなるだろう。実際セカンドラインの方が売れるンだろうし。」

「そりゃぁそうですけど。なんか馬鹿にされてるみたいで嫌ですね。」

「だからオガハウスはクルチアーニを扱うのを止めちまったんだよ。今オガハウスにあるクルチアーニは一昨年の冬より前に仕入れたものだけだ。要は残り物。でもクルチアーニがクルチアーニだった頃のカシミアニットだけだ。元々クラッシクな商品が中心だから,2 年たったって 5 年たったって古くなるような陳腐なデザインじゃない。それでも昔仕入れたものだからって言うことで,スペシャルプライスで提供してくれることがあるんだよ。」

「早々行ってきます!」

「あのね,バーゲンやってるわけじゃないの。スペシャルプライスになることもあるンであって,いつもスペシャルプライスで商売してるわけじゃないンだよ。だいたいスペシャルプライスにする必要なんてないンだから。ただ今年仕入れたわけじゃない,今ほどユーロが高くない時の物ってだけだからな。」

「でも買ったんでしょう?」

「御主人に,もうこれまでのようなクルチアーニのカシミアニットは手に入らないって言われたし,スーツを買った時で,既に清水の舞台から飛び降りちまった後だったから意識が朦朧としていたんだな。それで気がついたら袋の中に入ってたわけだ。」

「嘘ばっかり!」

「いや,嘘じゃない。いくらスペシャルプライスと言ったってクルチアーニは庶民の感覚からずれてるカシミアニットだ。」

「ふぅ〜ん。でも先生の買ったスーツだってどうせキートンかアットリーニ。もしくはリベラーノでしょう?既にスーツが庶民の感覚からずれてますよ。」

「スーツは仕事に必要だ。仕事の中じゃぁとんでもない人間とだって会わなきゃいけないこともあるだろう。初めて会った人間におれ様の言いたいことを伝えて,納得させなきゃいけないんだぞ。そうなりゃ,それなりの身支度が必要だ。ましてもう俺は 20 台じゃない。しょうもないスーツを着ていけばその程度の奴だと思われちまう。だからどうしたってそれなりのスーツが必要なんだよ。だから時には無理しても清水の舞台から飛び降りなきゃぁならないんだ。しかしニットはプライベートの時間のものだ。庶民には庶民のプライベートがある。俺のプライベートにクルチアーニは分不相応だ。だから買わない ・・・ はずだったんだが ・・・ まぁ,人生色々あるさ。」

「自己完結的に言い訳してませんか?」

「買っちゃったもんは仕方ないだろう。それにおまえに迷惑をかけたわけじゃないんだから,グダグダ言われる筋合いのもんじゃないぞ。更にだ,おまえに買うなとも言っていない。買いたきゃ買えばいいじゃないか。クルチアーニだろうが,バランタイン・カシミア ( BALLANTYNE CASHMERE ) だろうが,好きなの買えよ。」

「買えればそうしてますよ ・・・ しかし羨ましい。先生結局ニットもオガハウスなんですか?」

「そう言うわけでもないが,ニットはあまり買わないからな。‘ついでに買う’と言っちゃぁ何だが,ニットだけを目的に買い物に出かけることはないから,どうしてもオガハウスになっちまうな。アラン ・セーターならSavile Row Club に出かけるけどな。」

「オガハウスはクルチアーニをやめてニットは何を扱っているんですか?」

「そんなことオガハウスの御主人に聞けよ。俺は良く知らない。店員じゃぁねェんだから。」

「でも大して知りもしない私がいきなり電話をかけて聞くわけにもいかないじゃないですか。先生の覚えている感じだけでいいですから。」

「今はあの ・・・ 名前の難しい奴。何だっけ ・・・ えーと,ブルネロ クチネリ!これがが中心じゃないかな。オウ,そうだ,97 も薦められたぞ。マールもあった。それから ・・・ エイボンだったかな。AVON なんとか。」
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「先生,名前はしっかり覚えないと。マーロとアボンチェリ ( AVON CELLI ) ですよ。」

「おまえ,本当に詳しいね。キートンくらいなら覚えられるけど,後は難しすぎて全く駄目なのに。おまえ凄い!」

「安くて素晴らしいカシミアが欲しいだけです。97 リューデミモザがお勧めなのは何でですか?」

「俺のお勧めじゃぁないよ。御主人のお薦めだ。」

「わかってます。だから御主人は何で 97 リューデミモザを先生に薦められたんですか。」

「ブルネロ クチネリやマールよりコストパーフォーマンスがいいから。」

「どうしてですか?」

「御主人の話では,現在のマールの立役者の ・・・ なんて言ったかな。イタリア人の名前はもっと難しいよな。ちょっと太っちょのオヤジ風の人。おまえなら知ってんだろう?バランタイン・カシミアに移った人。なんて言ったかな?」

「ルカ・ディ・モンテゼーモロ ( Luca di Montezemolo ) ですか?」

「おまえ,良くそんな複雑な名前覚えているな。でもその人じゃない。そりゃフェラーリ ( FERRARI ) やマセラティ ( MASERATI ) のグループの会長をしている人だろう。バランタイン・カシミアの資金調達の総元締めみたいなもんだろう。もう一人いるだろ。マールから移った人。

「ハイ,ハイ。でも先生,マールじゃなくてマーロです。カネッサ ( アルフレード・カネッサ,Alfredo Canessa ) さんですね。恰幅の言いお茶目なおじさんですよね。」

「おまえ,知り合いなの?」

「知り合いなわけないでしょ!」

「随分馴れ馴れしく呼んでない?てっきり知り合いだと思うだろう。」

「そうですか?カネッサさんがどうかしたんですか。」

「あの人が,マールを持ってる M.A.C ( マニファットーレ・アソシアーテ・カシミア Manifatture Associate Cashmere ) を辞めてバランタイン・カシミアに移っちまった時に,マールの職人さんも相当数辞めちまったんだそうだ。その職人さん達で立ち上げたのが 97 だって聞いたよ。技術も糸も結構なもんだけど,まだ名前がメジャーじゃないから価格控えめでお買い得って言われた。」

「へぇ〜,すると 97 リューデミモザはマーロの親戚筋になるわけですね。それなら納得いく品質でしょうね。たしか 97 リューデミモザって,南フランスにある街のミモザ通り 97 番地にあるお洒落なブラッセリーに集まる人たちのことをイメージして付けられた名前なんですよ。」

「ブラッセリーに集まる人にお洒落な人なんているのか?‘ブラッセリー’なんて言うと日本人にはなんか気取った感じがするけど,要はビアホールだろう。」

「ブラッセリーとビアホールは違いますよ。元々はブラッセリーはビールの醸造工場とビストロが一緒になったようなもので,自前のビールを出していたんです。」

「同じじゃねェか。ビストロは日本で言えば定食屋のことだ。ビール工場やビアホールが定食屋とくっついような所にお洒落な人間がが集まるかねェ。それにミモザってオジギソウのことだろう?」

「えっ,ミモザってアカシアじゃなかったですか?」

「ミモザはオジギソウのはずだぞ。ラテン語だ。・・・アカシアだったかな?いずれにせよシャンパーニュカクテルのミモザならまだ雰囲気はあるけどなぁ。おまえが余分なことを言うから,おれはちょっと 97 のイメージが壊れたな。」

「余分でした?でもシャンパンカクテルの‘ミモザ’はアカシアの花の様子からついたはずですが ・・・」

「アカシアの花?そんなのわからん。でもオジギソウなら知ってる。俺はドリトル先生になりたかったんだ。花のことはよく知らん。いずれにせよ,定食屋もオジギソウもアカシアも,カシミアとは似合わない。余分な薀蓄を垂れるんじゃないよ。」

「ハイハイ,大変失礼しました。今度オガハウスに行ったら 97 リューデミモザを探します。」

「でも 1 万円じゃぁ買えないぞ。おれがみたところ 8 万は超えていた。」

「そんなにするんですか?やっぱり無理だな。」

「ブルネロ クチネリなんか 20 万位してたからな。それに比べりゃぁお買い得だろうが ・・・。やっぱり庶民のもんじゃねェな。俺たちはメリノを着ればいいんだよっ・・・てわけにもいかないか。」

「何でです?」

「ブルネロ クチネリのメリノも置いてあったが,10 万位していた。確かにとても優しげな雰囲気があって,俺好みではあったけど,手が出ないことには変わりないな。」

「メリノで 10 万ですか。ため息しか出ませんね。それじゃぁ先生はもう全くニットには興味はないんですか?」

「ニットだけだとな。あまり興味はないな。だいたいニット一枚羽織っただけで外に出られるような場面はほとんどないだろう。どうしてもジャケットかそれに変わるものを羽織らなきゃならない。そうすると俺には暑すぎるんだよ。汗かいちまう。でも革とコンビになってるすごいのを見つけた。あれならそれを羽織るだけで出かけられる。ブルネロ クチネリだったはずだ。」

「革と一緒?」

「そう,ボディの部分がラムスキン,もちろん内側はカシミアだ。袖の部分もカシミア。コンビだな。色はホワイトとベージュの間くらいかな。こいつがやたらいい感じなんだよ。優しげな雰囲気が大人っぽくて,アウトドアーにピッタリだ。絶対ゲットしようとその時は心に誓ったが値札を見て打ち砕かれたね。」

「下世話な話ですけど ・・・ いくらでした?」

「聞いて驚け!65 万。値段を聞いたときは見なけりゃよかったと心底思ったよ。まだ店に並べる前だったんだけど,見せてくれたんだ。しかしこれだけ突き抜けてるとどうにもならないから,目の保養って事で 10分後には諦めがついたけどな。」

「そうですか。私がオガハウスに言っても駄目ですね。ニットも驚くようなものばかりなんですね。」

「最近品揃えが更にすごくなってるような気がするな。でも金を持ってきゃぁいいんだよ。」

「そんなお金ありませんよ。」

「じゃぁもう,カシミアニットはあきらめろ。」

「そうですね。カシミアニットは諦めるしかないかなぁ。」

「・・・ でもな ・・・ 実は俺カシミア買ったんだ!」

「やっぱり買ったんじゃないですか!」

「でもニットじゃないぞ。」

「ニットじゃない?」

「そう,カシミアニットはとにかく高い。有名どころだとどうしてもホワイトカシミアを使うことになるからだ。そのくせメインテナンスが大変でやたらあちこちに着ていけない。それじゃ何のために大枚をはたくのか分からない,だろ?」

「そうですね。高級品じゃぁ買ってもなかなか着てけませんよね。手入れが大変だし。やっぱりドライクリーニングでしょう?」

「ドライクリーニングなんて絶対駄目だ。あの風合いが一度でけし飛んでしまう。それに冬とは言っても屋内の温かいところにいることが多いから,随分汗もかく。ドライクリーニングでは汗は落とせない。下手すりゃ変色しちまうぞ。」

「じゃぁ,どうするんですか?」

「まずは自宅で水洗いだ。」

「水洗いですか?」

「そう,水洗い。ちょっと待て ・・・ たしかこの前オガハウスから買って来たやつがここにあったはずだぞ ・・・ どこだったかな ・・・ あった,あった。これだ!」
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「これ,お酒のビンですか?」

「?,何言ってんだ。今洗濯の話をしてたんだろうが。これはカシミア専用の洗剤。イタリアのペルージャ、いやトスカーナだったかな。そのあたりで作っているだよ。ペルージャはカシミアの大物、クルチアーニとクチネリが創業したところだ。確かクルチアーニはペルージャの名門の所有のはずだぞ。トスカーナはそのペルージャの隣だ。そのトスカーナでカシミアの原毛やら製品やらを洗うために作られた洗剤だ。ビンからしてお洒落だろ。こんなので優しく押し洗いするのがいいんだよ。とても柔らかく仕上がる。そりゃ幾分肌触りに変化は出るが、これまでの洗剤の中で一番具合がいいな。」

「洗剤まで専用ですか。またこの小さな瓶がが 1 万円もするんじゃないでしょうね。」

「いや,クルチアーニを買った時にはサービスしてくれた。たしか 1500 円くらいだったような気がする。」

「これだけで 1500 円ですか!」

「これで長いことカシミアの肌触りを楽しめるんだ。安い買い物だろう。それに 20 着くらいは洗えるんじゃないか?」

「そうですね。ところで洗濯の話でしたっけ?」

「オウ,そうだ。俺は洗濯の話をしたかったんじゃないんだ。おまえが話を変な方向に持ってっちまったんだろう。カシミアニットは諦めてだっ。」

「ハイ,代わりに ・・・?」

「毛布にした。」

「毛布!? カシミアの?」

「そう,カシミアの毛布」

「カシミアの毛布を買ったんですか!ニットですら 10 〜 20 万でしょう?100 万なんかじゃ買えないでしょう!」

「それがエラク安く買えるんだ。そうは言ってもそれなりの金額にはなるがな。」

「どうしてですか。だって ・・・」

「高級なカシミアは細くて白いことだ。でも毛布にするなら細いに越したことはないが,白い必要はない。だから安くなる。パステルカラーの毛布なんてこっ恥ずかしくて使えないだろう。ベージュや薄茶,グレーくらいの方が落ち着くってもんだ。そうなりゃぁ原毛の値段が安いから,製品だって当然安くなる。太い質の悪いカシミアならもっと安くなるが,毛布と言えどもカシミアとして楽しむなら当然繊維の太さにはこだわらなきゃならん。だから 14 〜 16 マイクロメートルくらいカシミアらしいカシミアじゃなきゃいけないけどな。」

「でも何で毛布なんです?」

「俺は毎日 7 時間寝る。毛布なら冬の間毎晩 7 時間もあの優しい肌触りを楽しめるんだぞ。それこそたっぷりだ。カシミアのニットを着るよりよっぽど元が取れるってもんだ。」

「でもとてもニットのように 4・5 頭分じゃぁ出来ないでしょう。毛布ですもんね。」

「少なくとも 20 頭分はかかるって言ってたぞ。」

「下世話ですいませんけど,お幾らほどですか?」

「普通のカシミアで,ただ白くないってだけだからな。定価は 30 万。」

「30 万ですか!」

「だから定価だよ。いくら毎晩寝るって言っても 30 万も払えるか。買う時期を考慮したんで元々安くなっていたところに,店員さんに色々カシミアの話をして,いかにも‘知ってんだぞ〜!’って振りをしたら半額にしてくれた。それならクチネリより安いくらいだろ。それで買ったんだ。」

「でも 15 万でしょう!」

「産毛以外の部分の混入率が 0.01 %未満,細さはニットレベルだし,20 頭分のカシミアだぞ。15 万くらいは仕方ないだろう。」

「確かにセーターよりは納得できますけど ・・・ もう少し安くはならないかな。」

「同じ品質では難しいだろうな。店の利益は 5 万円ほどじゃないか。セールをしてたから 5 万くらいからカシミア 100%の毛布があったけどな。安い毛布は産毛が太くなるし,産毛以外の部分が混ざってくるんだ。中には 20 マイクロメートル以上のカシミアが使われてるものもあったぞ。それじゃぁカシミア毛布を買う意味がないだろう?手触りが全く違うし,頬なんかで触れるとその違いがよりはっきり分かちまう。だからちょっと奮発しちまった。充分なコストパーフォーマンスだと思うけどな。それにその恩恵たるや素晴らしい。毎晩しっとりヌメヌメ,ヌクヌクだぞ。」

「それならもう,カシミアニットなんていらないでしょうよ。」

「望月,なんか怒ってんのか?それはお門違いってもんだぞ。」

「怒ってませんよ。羨ましいから腹が立つだけです。フン!」

☆☆★ ☆☆★ ☆☆★ ☆☆★

カシミア,Cashmere
ブルネロ クチネリ ( Brunello Cucinelli ),バランタイン・カシミア ( BALLANTYNE CASHMERE ),クルチアーニ ( Cruciani ),97 リューデミモザ ( 97 Rue des Mimosas ),オガハウス

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